二人の女性から名前をもらった話



二人の女性から名前をもらった話
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1 :名無しさん 2014/04/24(木)00:36:25 ID:TUbXYxCr9
別に犯罪とかじゃなく

2 :名無しさん 2014/04/24(木)00:39:24 ID:EuVjOF9Lu
語ってどうぞ

3 :名無しさん 2014/04/24(木)00:43:17 ID:TUbXYxCr9
両親は大学の同じ学科の同級生だった
普通より長いし閉鎖的な学科だったせいか、

学科内カップルも毎年一定数いて、うちもそれに倣うように付き合いだしたと聞いた
自分が生まれたのは両親が大学の最終学年だった時
卒業ギリギリの、割と迷惑な時期に生まれた




4 :名無しさん 2014/04/24(木)00:46:25 ID:TUbXYxCr9
当時、お母さんには大学で知り合った親友がいた
知り合った経緯は部活だかサークルだかと聞いていた
大学で初めて会ったのに波長が合い、ホントに四六時中一緒にいたらしい
そんな人だったからこそ、妊娠が分かった時点で

「女の子ならあなたの名前を一字もらいたい」と言っていた

6 :名無しさん 2014/04/24(木)00:51:00 ID:TUbXYxCr9
そんな中生まれた自分は、お母さんとその親友から一字ずつもらって名付けられた

ただ、自分自身はその親友に会ったことはなかった
毎年一度、彼女の誕生日にお墓参りに行くのが、唯一"彼女"と会う日だった
命日はずっと知らなかった


7 :名無しさん 2014/04/24(木)00:55:22 ID:TUbXYxCr9
流れ流れて高校時代、人生はじめての彼氏ができた
勢いとはいえ、人見知り半端なかった自分が自ら告白した人だった

毎日が本当に幸せで仕方なかった
一緒に見る景色は特別で、一緒にいる時間が幸せだった


8 :名無しさん 2014/04/24(木)00:57:33 ID:TUbXYxCr9
本当に毎日が幸せで、離れなくてはいけない夜が辛く切なかった
ただ隣にいてくれるだけで幸せの絶頂にいられた
だから他には何もいらなかった
なのに、ほんの些細な悪戯心でその幸せは終わりを告げた


9 :名無しさん 2014/04/24(木)00:59:30 ID:EuVjOF9Lu
ほう

10 :名無しさん 2014/04/24(木)01:12:57 ID:TUbXYxCr9
高校2年の誕生日前、彼に「何かプレゼントが欲しいなぁ」とわがままを言ってみた
本当はただ平穏に過ぎる毎日が幸せだったから、今更何もいらなかった
ただちょっと困らせたいとか、そんなつまらない理由から出た言葉だった

その日二人で街に降りた
いろんなお店を回るのは楽しかった
誕生日プレゼントも決まって帰ろうとした時だった


11 :名無しさん 2014/04/24(木)01:19:04 ID:TUbXYxCr9
突然彼に突き飛ばされた
一瞬何が起きたか分からなかった
ただ、振り返った自分の目の前には、あってはいけない場所に車があった

泣き叫んだ
すぐに救急車が呼ばれて病院に搬送されたけど、結局そのまま還らぬ人となった


12 :名無しさん 2014/04/24(木)01:23:50 ID:TUbXYxCr9
しばらくは呆然と暮らした
何が起きたのか理解してなかったのかもしれない
ただ日が経つにつれ、自責の念がどんどん強くなっていった
もう生きることを放棄しようと思った
食事は採らなくなり、見る見る痩せていった
両親の心配も耳には届かなかった
そしてある日、思い出の場所から飛び降りた


13 :名無しさん 2014/04/24(木)01:26:55 ID:TUbXYxCr9
気付いたら草木のない大地に立っていた
ここはどこだろうかと思っていたら、不意に手を引かれた
見ると小さな女の子がいた
「一緒に向こうに行こうよ」
そんな女の子の言葉に従って私は歩き出した


14 :名無しさん 2014/04/24(木)01:29:02 ID:TUbXYxCr9
女の子は知らない歌を歌っていた
何と表現したら良いのかわからない、不思議な歌だった
そしてその歌声は、徐々に増えていった
気づけば周りには見知らぬ子供たちがたくさんいて、彼らがその見知らぬ歌を合唱していた


15 :名無しさん 2014/04/24(木)01:29:27 ID:TUbXYxCr9
続きはまた明日で
すみません


16 :名無しさん 2014/04/24(木)12:11:34 ID:EuVjOF9Lu
待ってる

17 :名無しさん 2014/04/24(木)16:12:42 ID:ISEVgQHA5
同じく待ってる

19 :名無しさん 2014/04/25(金)00:42:42 ID:v59d3r8B5
遅くなりましたが続けます

子供たちに連れられどれだけ歩いたか分からないけど、体感では数時間が経った
不思議と疲れもなくて、途中で休もうとかも考えなかった
それでもどこに行こうとしているのか心配になってきて、何度か尋ねた
でも毎回「いいから行こうよ」と言われ、その都度手を強く握られた

20 :名無しさん 2014/04/25(金)00:45:45 ID:OFP6G1gg2
支援

21 :名無しさん 2014/04/25(金)00:46:16 ID:v59d3r8B5
若干戸惑いながらも歩き続けていると、不意に後ろから強く腕を引っ張られた
自然と子供と手が離れ、よろめきながら腕を引いた人を見上げた
髪の長い女性だった
立ち上がる間もなく女性は言った
「こんなところで何をしてるの!」

22 :名無しさん 2014/04/25(金)00:49:09 ID:v59d3r8B5
私はその女性を知っていた
正確には、知っている人のはずだった
初めて知ったのは確か小学校に上がる前
髪の長い女性が椅子に座り、その横では男性が立って微笑んでいた
顔はもやがかかったような感じで分からなかった
それでも男性がお父さんであることと、女性がお母さんでないことには確信的な物があった

23 :名無しさん 2014/04/25(金)00:51:51 ID:v59d3r8B5
よくよく見ると女性のおなかは大きかった
きっと子供がいるに違いなかった
この人はいったい誰なのか?
横の人は本当にお父さんなのか?
そんなことを考えていると目が覚めた
妙な夢だった
それでいて何かやわらかいような温かいようなものも感じていた

それ以降、何度も同じ夢を見た
でもついに二人の顔が分かることはなかった

24 :名無しさん 2014/04/25(金)00:54:19 ID:v59d3r8B5
その女性が目に前にいる
いや、その女性のはずだった
異常な状況で知っている人であってほしいと願っただけではなく、
彼女が夢の人であるという確信めいたものがあった
「こんなところで何をしてるの!」
今度は両肩をゆすられ、そして我に返った

25 :名無しさん 2014/04/25(金)00:58:53 ID:v59d3r8B5
「ここはどこなんですか?あなたは誰なんですか?」
私の手を引きもと来た道を歩く女性は質問には答えず、
ただ「ここじゃないの」と何度も繰り返した
気付けばあれだけたくさんいた子供たちも一人減り二人減り、
最後には最初に出会った女の子だけになった
そしてその子も、いなくなった
およそ元の場所と思われる所に着いたとき、わが目を疑った
彼氏がいた

26 :名無しさん 2014/04/25(金)01:01:42 ID:v59d3r8B5
そんなはずはないとは思わなかった
女性の手を振りほどいて彼氏に駆け寄った
あなたに会いたかった
そんな言葉が彼に届くことはなかった
彼は「ここじゃない!」と叫んだかと思うと、私の腕を取り、
そのまま前の方へ引き倒した

あ、地面にぶつかる
そう思ったときに目が覚めた
病室のベッドに寝かされていて、すぐそばには泣きはらした顔のお母さんがいた

27 :名無しさん 2014/04/25(金)01:02:49 ID:NsWo0iduW
みてる

28 :名無しさん 2014/04/25(金)01:04:26 ID:v59d3r8B5
「なんで相談してくれなかったの?私じゃダメなの?」
そんなことを言いながらもお母さんは抱きしめて泣いてくれた
言葉の意味は考えなかった

ある程度落ち着いた後、お母さんに夢の話をした
女性のことは大昔に話したことがあったから、
ただ一言「彼女はあなたの守護霊なのかもね」とだけ言われた

29 :名無しさん 2014/04/25(金)01:11:05 ID:v59d3r8B5
自分の都合のよい解釈かもしれないけど、あれは多分死の境界だった
夢の女性も彼氏も自分に生きることを求めてくれた
それなら生きれるだけ生きてみよう

高校最後の一年は勉強していたことくらいしか記憶にない
おかげで、その学校ではおそらく初めての大学に受かった
正直なところ、学科しか決めてなかったから大学はどこでも良かった
それでも地元にいるのは辛くて、かと言ってすぐに帰ってこれないのも嫌だったから
東京の大学を選んだ
そうして初めて親元を離れた生活が始まった

30 :名無しさん 2014/04/25(金)01:14:47 ID:v59d3r8B5
大学正確は暇だった
一応一般的には忙しい部類に入る大学なのだろうけど、
それでも受験勉強を考えるとやっぱり暇だった
だからつい寂しくなっては実家に帰ったりしていた
当時はバイト代=帰省代だった気がする

そんな生活の中、初めて両親に帰って来いと言われた
20の誕生日の時だった
別に新しい彼氏がいるわけでもなく、試験の日程を縫うようにして実家に帰った

31 :名無しさん 2014/04/25(金)01:19:48 ID:v59d3r8B5
実家では両親と私だけのささやかなパーティーが開かれた
ちょっと豪勢な食事も終わったころ、お母さんから2冊の日記と1冊のアルバムを渡された
そのアルバムを開きながら、ある写真指さして言われた
「この子、知ってるよね?」

写真は両親の学生時代のものだった
指さされた写真には一人の男性と二人の女性が写っていた
お父さんとお母さんと、夢の女性だった

32 :名無しさん 2014/04/25(金)01:22:42 ID:v59d3r8B5
「え?なんで?」
なぜ彼女がいるのか
なぜお母さんは夢で見た人が彼女だと思ったのか
いろんな疑問が一気に出てきた

「落ち着いて聞きなさい。彼女は私の親友、そして、あなたの本当の母親なの」

33 :名無しさん 2014/04/25(金)01:27:45 ID:v59d3r8B5
話をまとめるとこんな感じだった
生みの親とお父さんは高校の同級生
母親はほとんど天涯孤独な人だったのもあって、大学入学と同時に結婚
卒業前に私を出産したものの、もともと体が弱かったのもあってその時に亡くなった

お母さんは母親の親友
生まれる前に「名前を一字欲しい」と言ったのはお母さんではなかった
むしろ言われた方

34 :名無しさん 2014/04/25(金)01:36:31 ID:v59d3r8B5
お父さんは卒業して働き出したものの、
いきなり社会人と育児の両立なんかできるわけもなく、
当時助けてくれたのがお母さんだった
2冊渡された日記のうちの片方は、その当時のお母さんの物だった

周囲には何度も私の面倒を見ることを止められたこと
当時付き合ってた彼氏にも私のことが原因で振られたこと
それでも私の面倒を見ることを止めなかったのは、自分の名前を冠しているから、
立場が逆ならきっと同じことをしてくれたはずだから
そんな言葉が何度も出てきた

最後のページはお父さんとの結婚前日のものだった
周囲は私が○○ちゃんの面倒を見ることが理解できないと言った
私はずっと本当の母親でないと思いながら生きるかもしれない

私はずっと、本当の母親でないと思われながら生きるかもしれない
それでも、○○ちゃんの笑顔を見ていると、そんな不安も消えてなくなる
もし立場が逆ならきっと△△(母親)も同じ選択をしたと思う
偽りの家族かもしれない
でも愛情だけは本物でありたい
明日、私は○○ちゃんのお母さんになります

35 :名無しさん 2014/04/25(金)01:41:54 ID:v59d3r8B5
子供のころに夢の話をしたとき、やっぱり母親の代理でしかないのかと思ったこと
自殺未遂を起こした時、やっぱり母親として頼ってはもらえないのかと思ったこと
夢の話をしたとき、私が築いてきた関係はやっぱり仮初だったのかと思ったこと
そんな話を泣きながらされた
気付いたら私も泣いていた

36 :名無しさん 2014/04/25(金)01:51:44 ID:v59d3r8B5
あの日からそれなりの年月が過ぎたけど、今でも普通?な親子関係を続けてる
たまに実家に帰ると、ケーキの取り合いで喧嘩をしたりするけどw、
それ以外は概ね普通なはず
自殺未遂を起こした時の後遺症で孫は見せられない感じだけど、
幸いにしてこんな私をもらってくれる人とも出会えた

旦那の実家に結婚のあいさつに行く際「私は子供を作れません」と言った

それで婚約破棄になるなら仕方ないと思ってた
なのに予想外の言葉が返ってきた
「ずっと欲しかった娘ができるのに、孫なんか望んじゃ罰当たりでしょ」
挨拶とか関係なく号泣した
本当に良い人たちに囲まれていると思う

いつか子供ができたなら、"母親"から名前をもらいたいと思ってる
期待は薄いかもしれないけど、子供にお祖母ちゃんたちの話をしたいってのが、
今の一つのモチベーションかもしれない


以上乱文にて失礼しました

37 :名無しさん 2014/04/25(金)02:04:46 ID:OFP6G1gg2
人それぞれにいろいろな幸せの形があると思うから、あまり気張らず、無理をせず、
1も周りの方々も末永くお幸せに
体を大事にしてね

38 :名無しさん 2014/04/25(金)12:43:40 ID:gy22fo0Hm
いい人に囲まれて幸せだなー
1なら望めばきっと子供も出来るさ
だって1にはすでに奇跡が起きているんだから

39 :名無しさん 2014/04/25(金)17:53:09 ID:VcMt5zbyL
1は里親でもやってみれば?血の繋がりも大事だけど必ずとも必要ないてわかるだろ?
育ての母からもらった愛情を里子に受け渡すのも良いかもね

コメント

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